ものづくりマイスター制度の仕組み

ものづくりマイスター制度の仕組み

ものづくりマイスター制度

若年技能者人材育成支援等事業(ものづくりマイスター制度)とは

「ものづくりマイスター制度」とは、優れた技能、経験を有する方を厚生労働省「ものづくりマイスター」として登録し 中小企業や教育訓練機関などで広く若年者への実践的な実技指導や、効果的な技能の継承や後継者の育成を行うものです。 対象分野は100を超える建設業および製造業に該当する職種です。

次の①〜④の条件を満たす方を認定しています。

①以下のいずれかに該当すること。

●認定対象職種のうち、特級、1 級又は単一等級の技能士

 (認定対象職種は、ものづくりマイスターの一覧をご覧ください。)

●高度熟練技能者(※1)のうち認定対象職種に該当する方。

●卓越した技能者(現代の名工)、全技連マイスター( ※2)及びこれらに相当する熟達した技能者のうち認定対象職種に該当する方。

●電気溶接職種、電工職種、自動車工職種については、一定の要件に該当する方。など

②認定対象職種に関する実務経験が、認定基準に定める資格取得、入賞、表彰、認定等の時点から5年以上あること。

③認定対象職種に関する実技指導経験が、認定基準に定める資格取得、入賞、表彰、認定等の時点から3年以上あること。(②の実務経験期間と重複して構わない。)

④技能の継承や後進者の育成に関して意欲を持って活動する意思及び能力があること。

(※1)長年の経験と工夫により培われた優れた熟練技能を活かし、例えば先端医療用の精密測定機器の組立てや自動車の試作エンジン部品の加工に携わるなど、世界に誇る日本のものづくりの発展を担ってきた方々。

(※2)更新制度があるため、資格が有効期間内であること。
   ②、③については一部免除要件もあります。

ものづくりマイスターの対象分野 (112職種)

造園 さく井 金属溶解 鋳造
鍛造 金属熱処理 粉末冶金 機械加工
非接触除去加工(旧:放電加工) 金型製作 金属プレス加工 鉄工
建築板金 工場板金 めっき アルミニウム陽極酸化処理
溶射 金属ばね製造 ロープ加工 仕上げ
切削工具研削 機械検査 ダイカスト 機械保全
電子回路接続 電子機器組立て 電気機器組立て 半導体製品製造
プリント配線板製造 自動販売機調整 産業車両整備 鉄道車両製造・整備
光学機器製造 複写機組立て 内燃機関組立て 空気圧装置組立て
油圧装置調整 縫製機械整備 建設機械整備 農業機械整備
冷凍空気調和機器施工 染色 ニット製品製造 婦人子供服製造
紳士服製造 和裁 寝具製作 帆布製品製造
布はく縫製 機械木工 木型製作 家具製作
建具製作 紙器・段ボール箱製造 プリプレス 印刷
製本 プラスチック成形 強化プラスチック成形 陶磁器製造
石材施工 パン製造 菓子製造 製麺
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 水産練り製品製造 みそ製造 酒造
情報配線施工 建築大工 枠組壁建築 かわらぶき
とび 左官 築炉 ブロック建築
エーエルシーパネルk施工 タイル張り 畳製作 配管
厨房設備施工 型枠施工 鉄筋施工 コンクリート圧送施工
防水施工 樹脂接着剤注入施工 内装仕上げ施工 熱絶縁施工
カーテンウォール施工 サッシ施工 自動ドア施工 バルコニー施工
ガラス施工 ウェルポイント施工 テクニカルイラストレーション 機械・プラント製図
電気製図 金属材料試験 貴金属装身具製作 印章彫刻
表装 塗装 路面標示施工 広告美術仕上げ
義肢・装具製作 メカトロニクス 電気溶接 電工
自動車工 車体塗装 時計修理 シーケンス制御

ものづくりマイスター(+DX)

現在の製造現場では、3DプリンタやCNC制御の工作機械、センサーを活用した工業設備など、進化した機器・設備を活用することにより熟練技能者でなくとも 多品種、小ロットで高精度の生産が可能となるなど、ものづくり現場におけるデジタル化に伴う生産性・品質向上の取組が進展しています。 ものづくり現場の環境変化に伴い、IT技術を活用した生産性向上等に関する指導も求められているところです。このため、中小企業等に対するIT技術を活用した高効率なものづくりに関する実技指導を行うため、 プログラミングやデータ分析、最新機器の使用方法など、IT技術を活用した生産性向上等の指導ができるものづくりマイスター(+DX)を認定し、派遣先の中小企業等における生産性・品質向上の取組を支援します。

ものづくりマイスター(+DX)の指導内容・レベル等
問題点や課題等の発見手法についての指導

●ものづくり現場における問題点や課題等の考え方について指導する。

●現状のものづくり現場における問題点や課題等の発見のポイントについて指導する。

生産性向上にむけた問題点や課題等の分析等

●発見した問題点や課題等の改善に対応したIT技術等の利活用(センサーなど機器の設置の仕方、データの取り方、その分析方法等)について提案する。

●発見した問題点や課題等について、分析結果に基づき改善方法等を提案する。

●提案した改善事項等について、実現可能な方法の選択及び実施について助言・指導を行う。

生産性向上にむけた改善の確認等

●提案した改善内容について、実際のものづくり現場において、生産性が向上しているかチェックし、必要な対応策を提案する。

生産性向上ができる人材の育成

●中小企業の現場担当者を対象とし、ものづくり現場においてものづくりマイスター(+DX)の助言等を通じて、自ら改善提案できる人材を育成する

ものづくりマイスター(+DX)能力及び認定要件

5つの能力等の区分をすべて満たしている方。詳細は、ポータルサイトの「技のとびら」をご参照ください。

能力区分 必要な能力要件
ものづくりの知識・技能等 次のいずれかに該当する者であること。
(1)技能検定特級・1級・単一等級の技能士
(2)技能五輪全国大会又は技能五輪国際大会レベルの技能競技大会の成績優秀者 (銅賞まで)
(3)ビジネス・キャリア検定生産管理分野該当区分※2級以上
(4)1~3と同等の能力を有していると認められる者
実務経験 資格取得後実務経験5年以上、指導経験3年以上ある方
改善の能力 改善の実績・経験等を有すること。
(「改善実績申告書」により申告していただきます。)
ITの技能等 チェックシートに定める要件を満たしていること。
(「IT技術・知識等に関する チェックシート」により申告していただきます。)
その他 技能の継承や後継者の育成に関して意欲を持って活動する意思及び能力がある者。

※生産管理プランニング(生産システム・生産計画)(加工型・組立型)・(プロセス型)、 生産管理オペレーション(作業・工程・設備管理)、 生産管理オペレーション(購買・物流・在庫管理)

ものづくりマイスター(IT部門)

将来のIT人材育成に向けた支援プログラム

日本の労働生産性を向上させるためには、労働者一人ひとりが情報技術を有効に活用できることが重要です。 そのためには、小・中・高の若年世代から情報技術に慣れ親しみ、使いこなせる能力 を身につけることのできる環境整備が必要となります。 ITリテラシーの強化や、将来のIT人材育成に向けて、小学生から高校生にかけて段階的に情報技術に関する興味を喚起するとともに、情報技術を使いこなす職業能力を付与するため、情報技術関連の優れた技能を持つ技能者を「ものづくりマイスター(IT部門)」として派遣し、指導を行います。

次の①〜④までの全ての条件を満たす必要があります。

①以下のいずれかに該当する者

ア.技能検定(ウェブデザイン)1級

イ.ITSS(※)のスキル習熟度レベル4以上に相当する情報技術関連の資格を有すること。

ウ.技能五輪全国大会の競技職種のうち、ITネットワークシステム、ウェブデザインの成績優秀者(銅賞以上)

エ.技能五輪国際大会の競技職種のうち、

 業務用ITソフトウェア・ソリューションズ、ウェブデザイン、ITネットワークシステム管理、グラフィックデザイン、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティ、モバイル アプリケーション開発、3Dデジタルゲームアートの成績優秀者(敢闘賞以上)であること。

②認定対象職種に関する実務経験が、認定基準に定める資格取得、入賞等の時点から3年以上あること。

③認定対象職種に関する実技指導経験が、認定基準に定める資格取得、入賞等の時点から3年以上あること

 (②の実務経験期間と重複して構わない)。

 ただし、職業訓練指導員免許保持者については、実技指導経験要件を免除する。

④技能の継承や後進者の育成に関して意欲を持って活動する意思及び能力がある方。

(※)ITSS(ITスキル標準):経済産業省が定めている個人のIT関連能力を職種や専門分野ごとに明確化・体系化しIT人材に求められるスキルやキャリア(職業)を示した指標。

ものづくりマイスター(IT部門)が指導する対象分野(11職種)
ウェブデザイン ITネットワークシステム管理 グラフィックデザイン
業務用ITソフトウェア・ソリューションズ ロボットソフト組込 クラウドコンピューテイング
サイバーセキュリテイ モバイルアプリケーション開発 3Dデジタルゲームアート
AI・機械学習 データサイエンス(ビッグデータ)